939: おさかなくわえた名無しさん 2016/04/11(月) 00:03:33.47 ID:e8yMcCbu.net
私のことが好きだから大切にしてくれているんじゃなくて、
「自分よりだめな人を大切にする自分」が好きだから、
私のことを大切にしているんだと気付いてしまったときに冷めた。

周りに優しくて、ものすごく面倒見がいい人に好かれた。
「君みたいな子が本当に好みなんだ。
 すごくすごく大切にするから、付き合ってほしい」と猛アタックされた。
当時の彼は断る理由が思いつかないくらいのいい人に見えたので、
だめなところばかりの私がなんで好みなの?ととても不思議だった。

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私は、何かを決めるのも遅いし、
いろいろとネガティブに考えてしまう性格だし、
見た目も小さくて太っていた。
それに、新品のペットボトルが開けられない、
小銭をつまむのが苦手という程度では

あるけど、
上肢に障害があって、
人よりも握力が弱くて、指や腕を素早く動かせない。

だから、「申し出は有難いけど、私にはもったいなさすぎる」と
お見合いの常套句のような断り方をしてしまった。
それでも
「俺のことが嫌いというわけじゃないなら、
 お試しでいいから付き合って」と押し切られ、
とりあえずお試しで付き合うことになった。

940: おさかなくわえた名無しさん 2016/04/11(月) 00:04:01.15 ID:e8yMcCbu.net
実際に付き合ってみたら、
やっぱり彼はものすごく私を大切にしてくれた。
私のだめな部分を全部受け入れてくれた。
二人でご飯を食べに行って、
何を食べようか迷ってしまったときは、
「ゆっくり考えなよ。俺は、~ちゃんが
 悩んでどうしよう〜ってなってるのを見るのが好きなんだから」
とにこにこしながら待ってくれた。
彼には全然関係のないことで悩んでいるときには、
「話を聞くだけで~ちゃんが少しでも楽になるなら、どれだけでも聞くよ。
 それに俺、~ちゃんが俺に悩みを
 打ち明けてくれるのが嬉しいから」と言ってくれた。

障害についても、私が、ペットボトルを開けるときに
オープナー(力を入れなくても開けられる)を
使っていることに気がついていて、
「俺と一緒のときは、全部任せてくれればいいから」と開けてくれた。
オープナーを使うのは新品を開けるときだけで、
一度開けたものは普通に開けられるんだけど、
彼は、「それでも力を使うでしょ」と言って、
二人で出かけるときは彼が常にペットボトルを2人分持ち歩いて、
私が飲みたいときはふたを開けてから渡してくれた。
「できないことがあってもいいんだよ。
僕は~ちゃんが好きだから、むしろ、
『これができない〜』って甘えてくれたほうが嬉しいんだ」と言ってくれた。

甘やかしてもらうのは楽だし、
彼は私のことが本当に好きなんだと感じたけど、
どこか居心地の悪さがあって、
それがずっと付きまとっていた。
友達に話してもこの居心地の悪さをうまく伝えることが出来ずに、
「今までもてなかったから、
 大事にされるのに慣れてないだけでしょ〜」
「ていうか、そういうのをのろけっていうんだよ〜」
と言われるだけで、
あれ?やっぱり私が悪いのかな、こんなに大切にしてくれてる人に
居心地の悪さを感じる私がおかしいのかなと思うようになっていった。

941: おさかなくわえた名無しさん 2016/04/11(月) 00:05:19.74 ID:e8yMcCbu.net
ずっと大切にしてもらって、
好きだと言われるうちに、
私も彼のことが好きになってきたかもしれないと思うようになり、
正式に付き合うことに決めた。

彼は、ますます私のことを大切にするようになった。
だめなところをさらしてしまっても、
「~ちゃんは、自分のこういうところがダメだって言うけど、
 俺は、~ちゃんがいっぱいいっぱいになって
 頑張るところがいいなと思うよ。
 できなくて、それで俺に頼ってくれるときは、
 本当にかわいいなあって思う」
とフォローしてくれるたびに、
彼はやっぱり素敵な人だったんだ、
彼が私のことを好きになってくれて
本当によかったと思っていた。

付き合ってしばらく経ったとき、二人でイベントに参加した。
ビンゴ大会があり、私がビンゴになったとき、
何人かのビンゴが重なって、
景品を選ぶ順番を司会者とのじゃんけんで決めることになった。
そしたら、彼が私を座らせて、代わりに立ちあがった。
私が、
「大丈夫だよ、素早いじゃんけんは苦手だけど、
 全員じゃんけんくらいの早さなら全然問題ないから」
と言ったけど、聞いてない。
司会者が
「そちらのテーブル、ビンゴと手を挙げてくださったのは
 女性の方でしたけど、隣の男性の方が代わりに
 参加される、ということでしょうか?」と聞いてきたとき、
彼が、会場の端っこにいる司会者に聞こえるように大きな声で、
「彼女は〜、障害があってじゃんけんができる
 身体ではないので〜、僕が代わりにします!」と言った。
司会者も、
「そういうことなんですね〜 彼女さんのために、愛ですね」と認め、
彼はじゃんけんに勝ち、ディズニーペアチケットを当てた。

942: おさかなくわえた名無しさん 2016/04/11(月) 00:05:45.87 ID:e8yMcCbu.net
広い会場だったし、
大きい声ではあったけどマイクを通したわけではないので、
彼の言葉は会場全体に聞こえていなかったかもしれない。
それでも私は、景品を取りにステージ側に出ていくことができなかった。
彼が景品を取りに行ったんだけど、
司会者から
「彼女のために、さすがですね〜。
 もちろん、一緒に行かれるんですよね?
 ディズニーなら、バリアフリーも
 しっかりしてそうですし、安心ですね!」と言われて、
「もちろんです!というか、どこに行くにしても、
 彼女には障害を感じさせるような
 不自由な思いはさせないようにしてますので、
 実は、どこに行こうと関係ないんですけどね」と照れていて、
周りにも冷やかされて、彼は嬉しそうにしていた。

このとき、他のテーブルの人がひそひそ話している声が聞こえてしまった。
「なんか、いいね。障害者の彼女のために頑張る彼氏って。
 彼女のためなら何でもしますって感じじゃん」
「そうかぁ?私だったら嫌だけどな。
 てか、彼女が障害者だからって言う必要ないじゃん。
 なんか適当に言い訳して、
 代わりに自分がじゃんけんしますで十分でしょ。
 あの彼氏、障害持ちの彼女がいる自分に酔ってる感じだわ。」
「え〜そうかなぁ」

この嬉しそうな様子と彼女たちの会話を聞いて、
やっと、付き合う前に感じていた
違和感の正体がわかって、一気に冷めてしまった。

943: おさかなくわえた名無しさん 2016/04/11(月) 00:06:05.23 ID:e8yMcCbu.net
後日、やっぱり付き合えないと断った。
理由を伝えても彼は理解できないようだった。
でも、
「じゃあ、仮に、私が何でも一人でいろいろできて、
 すごく性格明るくて、かわいくてスタイルもよくて、
 もちろん障害もなくて。そんな子だったら好きになってた?」
と聞いたら、
「それは~ちゃんじゃないでしょ。
 ~ちゃんは、今の~ちゃんだから魅力があるわけだから、
 それだけ違えば、もうそれは、違う子でしょ。
 僕は、~ちゃんがいろいろできないところがかわいいと思う。
 できなくて、どうしようって悩んだり、困っていたり、
 それで、僕を頼ってくれればいいなって思った。
 付き合いだしてから、僕に頼ってくれて、
『ありがとう』って言ってくれるのがすごく嬉しい。
 もし、僕を頼らずに何でも一人でできて、
 悩み事も一人で解決するようになったらさみしい」
「頼ってくるような子が、好みってことだよね?」
「俺は、~ちゃんが好きだから、
 頼ってもらいたいんだ」
「逆だよ。頼ってくるような子に見えたから、
 私のことを好みって言っていて、
 実際に頼るようになったから、好きって言ってるんだよ」
「違うよ」
「でも、私が何でも一人で出来る子だったら、
 好きじゃないんだよね?」
「何でも出来る子って、それは~ちゃんの魅力とは違うでしょ」

こんなふうに堂々巡りになるだけなので、
とにかくもう付き合えないで押し切った。

944: おさかなくわえた名無しさん 2016/04/11(月) 00:06:46.67 ID:e8yMcCbu.net
友達には散々もったいないと言われたし、
理由を説明してもわかってもらえないことも多かったけど、
それでも何人かは、
「確かに彼って、誰かが出来なかったり
 困ってたりするときには手伝うけど、
 何かを一緒にやるというか、
 対等の立場で何かをするってことがない人だよね。」
とわかってくれた。

彼に好かれたのは自分にダメなところが多かったせいだし、
自分がダメなところやできないところが
多かったことが嫌というほど自覚できたので、
そういうところを直そうと努力するきっかけになった。
おかげで性格もだいぶポジティブになったし、見た目もましになった。
障害だけはどうしようもないけど、
それでも、自分なりに工夫して、できることを増やすようにした。

今日、久しぶりに当時の知り合いに会う機会があったので、思い出した。
その人によると、彼は、身体障害のある人と付き合っているらしい。
その知り合いは、彼に会うたびに、
「彼女にはこんな障害があって、こういうことができなくて、
それを自分がこうフォローして…」と聞いているらしい。

「久々に~さんに会って、あの頃
『彼は出来ない人を助ける自分が好きなだけで、
 私のことを好きなわけじゃない』と言っていたことを思い出した。
彼、今の彼女のこと、
『彼女はこういうことが出来なくて、俺がこう助けて…』って
すごく嬉しそうに話すんだよね。
実は、~さんと付き合ってたときも、いろいろ聞いてた。
でも、彼と別れてからの~さんは、彼から聞いてた出来ないはずのことは
普通に出来てたし、それを見て、あれ?って思うこともあった。
性格も、すごくネガティブで暗い子かと思ってたけど、
どんどん明るくなったし、
なんか、見えていなかったのは自分だったのかもしれない」
と言ってくれた。

945: おさかなくわえた名無しさん 2016/04/11(月) 00:07:22.97 ID:e8yMcCbu.net
長くなりましたがこれで終わりです。

その知り合いによると、
彼の話の中で出てくる「彼女は、これが出来なくなって」が、
どんどん増えているらしい。
彼は本当に優しくて、出来ない自分、ダメな自分を肯定してくれるし、
できないことは何でもやってくれるから、自分でやる必要が全くなくなる。
彼女の障害はもしかしたら進行性のことかもしれない。
でも、そうでないのなら、いろいろなことをやってもらっているうちに、
出来ていたことも出来なくなってしまったのかもと心配になる。

とはいっても、彼女と連絡をとる手段もないし、
彼と関わりがある人には近づきたくないので、何もできないけど。

947: おさかなくわえた名無しさん 2016/04/11(月) 00:16:46.12 ID:ME4b5LxW.net
長文なのに一気に読んでしまった
>>939文章うまいね
それにしても怖い話だな
いい人っぽく見えて
どんどん相手をダメにしていくなんてDV男よりタチ悪いかもしれん

948: おさかなくわえた名無しさん 2016/04/11(月) 00:31:16.84 ID:yIUK0NKp.net
真綿で首締めてくる奴だな

949: おさかなくわえた名無しさん 2016/04/11(月) 00:35:54.71 ID:YpDOkY2e.net
>>945
長文だけどすらすら読めたよ
恐いね優しい虐待だわ

951: おさかなくわえた名無しさん 2016/04/11(月) 00:55:58.84 ID:sc2U5s6P.net
単なる好みでしょ、
障害者が好きってカテゴリある。
そう割り切った上で
なおかつ自分のタイプど真ん中なら別れたのは
もったい無いけど、
そこまで好みの男では無かったって事だね。別れて正解

953: おさかなくわえた名無しさん 2016/04/11(月) 01:16:59.59 ID:vnlm3tYv.net
重い障害ではなく自分で出来るって言ってるのに
大勢のいる場で
「こいつ障害者なので代わりに俺がやりますー!」とか
障害者好きってレベルでなくサイコパスにしか思えんよ

954: おさかなくわえた名無しさん 2016/04/11(月) 01:42:08.80 ID:pM6xg97/.net
>>953
ほんとこれだわ
他の部分はまあ百歩譲って性格の不一致ってことにできても、
できるっつってんのに俺がやる!って聞かない上に
「彼女は障害があってできないので俺がやります!」
って人前で堂々と言える神経がすごいわ。
全然勿体無くない。
付き合わなくて正解。

956: おさかなくわえた名無しさん 2016/04/11(月) 10:55:23.14 ID:q5+1rIrM.net
うん935文章上手だわ。
微妙な出来事とか気持ちの変化とかの表現がうまいわ。
不幸な彼女好き系の男っているよね。
失礼だし気持ちが悪い。
935のためになりたいなら、
自分でできることを支援してくれたらいいのにね。おつでした

957: おさかなくわえた名無しさん 2016/04/11(月) 11:11:53.49 ID:hfpupte7.net
恐いね
なんか外国のデブ専の男思い出した

965: おさかなくわえた名無しさん 2016/04/11(月) 17:09:45.79 ID:mdZauYl0.net
これ「優しい虐待」が
どうして虐待になるのか理解できる人間とそうでない人間で
元カレの評価変わるだろうなあ。
共依存の一面に特化した感じ。
元カレじゃ手に負えないレベルのトラブル起きたらどうするんだろうなあ。

966: おさかなくわえた名無しさん 2016/04/11(月) 17:19:34.34 ID:ga8J3Qpp.net
理由はなんであれ、周りが100%理解してくれないとしても、
嫌だと感じたらもうそれはしょうがないことだよ


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うどん屋で食事中、相席したカップルに延々とディスられたので会計終了後、店の外に出てからディスり返してやった。






引用元 http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/kankon/1457165731/